ここからは労災保険法の「山場」であり、暗記要素が強い**「障害補償給付」と「遺族補償給付」**を整理します。
特に「遺族」の受給権順位は、社労士試験全科目の中でもトップクラスに複雑ですが、**「生計維持」と「年齢制限」**のルールさえ覚えれば得点源になります。
1. 障害補償給付:年金か?一時金か?
障害の程度(第1級〜第14級)によって、もらえる形がパッキリ分かれます。
| 障害等級 | 給付の形態 | 覚え方のコツ |
| 第1級 〜 第7級 | 障害補償年金 | 重い障害。ずっと支える必要があるから「年金」 |
| 第8級 〜 第14級 | 障害補償一時金 | 比較的軽い障害。一回まとめて払って終了 |
💡 試験対策: 「第7級は一時金である」という誤文がよく出ます。**「なな(7)までは年金」**とリズムで覚えましょう。
2. 遺族補償給付:誰がもらえるのか?
遺族への給付には、**「遺族補償年金」と、それがもらえない場合の「遺族補償一時金」**があります。
① 遺族補償年金の受給権者(最重要)
亡くなった労働者の収入で食べていた人(生計維持)であることが大前提です。その上で、以下の優先順位と「年齢・状態」の制限があります。
- 配偶者(妻は無条件、夫は60歳以上または障害)
- 子(18歳年度末まで、または障害)
- 父母(60歳以上、または障害)
- 孫(18歳年度末まで、または障害)
- 祖父母(60歳以上、または障害)
- 兄弟姉妹(18歳年度末まで/60歳以上、または障害)
⚠️ 覚え方のポイント
- 「妻」だけは最強: 年齢制限がありません。
- 夫・父母・祖父母: 「60歳以上」という高齢ルール。
- 子・孫: 「18歳年度末(高校卒業まで)」という若年ルール。
② 受給権の失権
「再婚した」「養子に行った(直系血族等以外)」「死亡した」場合は、受給する権利がなくなります。この場合、次順位の人に権利が移る**「転給」**が起こるのが労災保険の特徴です。
3. 遺族補償一時金(予備的給付)
年金をもらえる遺族が一人もいない場合に、**遺族(生計維持関係がなくてもOK)**に支払われます。
- 基本は給付基礎日額の1,000日分。
- すでに年金が支払われていた場合は、その合計額を差し引いた残額が支払われます。
4. 攻略の比較表
| 項目 | 遺族補償年金 | 遺族補償一時金 |
| 生計維持関係 | 必須 | 不要(順位はある) |
| 転給(順位交代) | あり | なし |
| 年齢制限 | あり(妻以外) | なし |
労災保険法で最も複雑な「遺族」まで来れば、山は越えたも同然です!
次は、労災保険の最後を締めくくる**「不服申し立て(2審制)」や、多くの受験生が苦手とする「特別加入」**について解説しましょうか?どちらが気になりますか?

コメント