社労士試験において「年金2法(国民年金法・厚生年金保険法)」は、配点合計が大きく(択一式20点分、選択式10点分)、合否を分ける最重要科目です。
攻略の鍵は、これらをバラバラに学ぶのではなく**「2階建て構造」**としてセットで理解することにあります。
1. 年金2法の構造(2階建てのイメージ)
日本の年金制度は、すべての国民が加入する「国民年金」を1階、会社員などが上乗せで加入する「厚生年金」を2階とする構造です。
共通点と相違点(横断整理のポイント)
学習の効率を上げるには、まず国民年金(国年)を固め、厚生年金(厚年)はその「差分」に注目するのが鉄則です。
| 項目 | 国民年金 (1階) | 厚生年金 (2階) |
| 対象者 | 20歳以上60歳未満の全員 | 会社員・公務員(年齢制限なし) |
| 保険料 | 定額(一律) | 定率(給与に比例) |
| 老齢給付 | 老齢基礎年金 | 老齢厚生年金(上乗せ) |
| 障害給付 | 1級・2級のみ | 1級〜3級+一時金まで手厚い |
2. 効率的な学習ステップ
① まずは「国民年金」の給付要件を完璧にする
年金の基本は「老齢・障害・遺族」の3大給付です。特に**「支給要件(いつ、誰がもらえるか)」**は、国年も厚年も似たルールで動いています。
- 例: 障害年金の「納付要件(3分の2以上納付など)」は両法共通です。国年でこれをマスターすれば、厚年の学習時間は半分で済みます。
② 「厚年特有」の論点を後から足す
厚年には、国年にはない「加給年金」や「振替加算」、「在職老齢年金(働きながらもらう年金)」などの複雑な仕組みがあります。これらは国年の基礎ができていないと混乱するため、後回しにするのが得策です。
③ 「数字」を整理する
年金法は数字の宝庫です。
- 70歳: 厚生年金の被保険者資格喪失
- 65歳: 基礎年金の原則支給開始
- 60歳: 国民年金の強制加入終了これらを**「年齢軸」の1本の線**にまとめて整理すると、記憶の干渉を防げます。
3. 「足切り」を防ぐ選択式対策
年金2法の選択式(空欄補充)は、条文の目的条文や、最新の「年金改定率」などの数字が狙われます。
- 厚生年金の目的: 「労働者の老後、障害、死亡について…生活の安定と福祉の向上に寄与する」
- 国民年金の目的: 「健全な国民生活の維持が図られるように…」といった、似て非なるフレーズのキーワードを正確に区別できるようにしましょう。
4. 学習のアドバイス
年金科目は最初は「全く意味がわからない」と感じるのが普通です。しかし、**「国年と厚年を3往復」**する頃には、パズルのピースがはまるように急に得点が安定し始めます。
合格者の声: 「年金は一度得意になれば、法改正を除いて知識が崩れにくい最強の得点源になります。」
次は、年金と並んで複雑な「健康保険法」との違いや、併給調整(2つ以上の年金をもらえるか)のルールについて詳しくお伝えします。

コメント