2024年5月に成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」により、2025年(令和7年)10月1日から新しい給付金制度である**「教育訓練休暇給付金」**が創設されます。
これは、労働者が自発的に学び直し(リスキリング)を行うために休暇を取得した場合、その期間の生活を支援するための制度です。
制度のポイントを分かりやすく整理しました。
1. 制度創設の背景と目的
これまでの「教育訓練給付」は、受講費用の一部を補助するものでした。しかし、働きながら学ぶ人にとって「時間の確保」と「休暇中の収入減少」が大きな壁となっていました。
今回の新設により、「お金(受講費)」だけでなく「時間(休暇中の生活費)」もセットで支援することで、主体的なキャリア形成を後押しするのが狙いです。
2. 給付金の概要
主な内容は以下の通りとされています(詳細は今後の省令等で確定します)。
| 項目 | 内容(予定) |
| 対象者 | 雇用保険の被保険者(期間等の要件あり) |
| 受給要件 | 労働者が自発的に教育訓練を受けるために、30日以上の休暇を取得すること |
| 給付額 | 休暇期間中、賃金の一定割合(基本手当に準じた額:おおむね賃金の60〜80%相当) |
| 実施時期 | 2025年(令和7年)10月1日施行 |
3. 「教育訓練短時間勤務給付金」も同時創設
フルタイムの休暇だけでなく、働きながら時間を短縮して学ぶ人を支援する制度も同時にスタートします。
- 教育訓練短時間勤務給付金:リスキリングのために所定労働時間を短縮した場合に、減少した賃金の一部を補填する制度です。
💡 注意点
- 事前の確認: この給付を受けるには、受講する講座が厚生労働大臣の指定を受けたものである必要があります。
- 離職中との違い: 従来の「失業保険(基本手当)」は離職中が対象ですが、この給付金は雇用を継続したまま休暇を取る点が大きな違いです。
社会保険労務士(社労士)の資格取得や、社労士としての仕事における「教育訓練給付制度」の関わり
社会保険労務士(社労士)の資格取得や、社労士としての仕事における「教育訓練給付制度」の関わりについて解説します。
社労士は、今回のような**「雇用保険の法改正」の専門家**であり、制度を利用して資格を取る側としても、資格取得後に制度をアドバイスする側としても、非常に密接な関係にあります。
1. 社労士試験と教育訓練給付
社労士試験を目指す際、多くの受験生がこの給付制度を活用しています。
- 給付の種類: 多くの予備校(通信・通学)の「社労士合格コース」は、**「一般教育訓練給付」**の対象となっています。
- メリット: 修了後にハローワークへ申請することで、受講費用の**20%(最大10万円)**が戻ってきます。
- 注意点: 独学の場合は対象になりません。また、2024年10月の拡充により、一部のより専門的な講座では給付率が上がっているケースもありますが、社労士講座は一般的に「20%」の区分が多いです。
2. 実務家としての社労士の役割
2025年10月に創設される**「教育訓練休暇給付金」**などは、社労士にとって重要な実務トピックとなります。
- 制度の設計と運用: 企業が「教育訓練休暇制度」を導入する際、就業規則の改定(労基法)や、ハローワークへの給付金申請手続き(雇用保険法)を代行・アドバイスします。
- リスキリング支援: 企業が従業員を学ばせるための「人材開発支援助成金」などの活用提案も社労士の重要な仕事です。
3. 2025年〜2026年の主要な改正トピック
社労士試験や実務に関連する最新の改正事項は以下の通りです。
| 時期 | 主な改正・トピック |
| 2024年12月 | 健康保険証の原則廃止(マイナ保険証への移行) |
| 2025年4月 | 育児休業給付の拡充(出生後休業支援給付金などの創設)、雇用保険料率の変更(引き下げ予定) |
| 2025年10月 | 教育訓練休暇給付金・短時間勤務給付金の創設 |
| 2026年 | 自己都合退職の給付制限期間の短縮(1ヶ月への本格運用など) |
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受験を検討されている方へ
2026年度(令和8年度)の合格を目指す場合、2025年10月の改正(休暇給付金の新設)などは試験範囲に直撃する可能性が高い重要ポイントになります。
[!IMPORTANT] 社労士試験は「法改正の宝庫」と言われるほど、新しい制度が試験に出やすい傾向があります。
「自分自身の受講に給付金が使えるか知りたい」のか、「社労士として新しい給付金の申請実務を知りたい」のか、どちらのご興味が強いでしょうか?
参考HP
参考動画
社労士合格コースの給付金活用ガイド この動画では、社労士試験における法改正のポイントや、学習における給付制度の活用方法が詳しく解説されており、受験準備に役立ちます。
【2025年度版・法改正総集編】全科目の重要事項の解説 – YouTube



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