社会保険労務士(社労士)試験において、**労働基準法(労基法)と労働安全衛生法(安衛法)は、最初に学習する重要科目です。この2つは「労働基準法及び労働安全衛生法」として同一の試験枠(択一式10問:労基7問・安衛3問)で出題されるため、両者の「つながり」と「違い」**を整理することが攻略の鍵となります。
1. 労基法と安衛法の本質的な違い
もともと安衛法は労基法の一部(旧第5章)でしたが、内容が高度に専門化したため独立した経緯があります。
| 項目 | 労働基準法 | 労働安全衛生法 |
| 目的 | 労働条件の最低基準を定める(生存権の保障) | 職場の安全と健康を確保する(危害防止) |
| 性格 | 事後救済・権利義務(民事的側面) | 事前予防・管理体制(行政的側面) |
| 主な対象 | 賃金、労働時間、解雇、休暇など | 機械の規制、健康診断、安全管理体制など |
| 罰則 | 比較的重い(懲役刑あり) | 労基法に準ずるが、勧告・是正が中心 |
2. 攻略のポイント:学習の優先順位
労基法:判例と通達の「理解」
労基法は得点源にする必要があります。条文そのものよりも、**「このケースは労働者に該当するか?」**といった判例や通達の解釈が問われます。
- 頻出分野: 労働時間(変形労働時間制)、解雇、賃金の支払原則、有給休暇。
- 対策: 深追いは禁物ですが、最高裁判例の結論(「~は認められない」等)をセットで覚えましょう。
安衛法:数字と役職の「暗記」
安衛法は範囲が広い割に出題が3問と少ないため、効率が命です。深入りせず、**「誰が」「いつまでに」「何をするか」**という定型的な知識を固めます。
- 頻出分野: 安全衛生管理体制(総括安全衛生管理者など)、健康診断(実施時期・保存期間)、ストレスチェック。
- 対策: 管理体制の「選任人数」や「頻度」を比較表で暗記するのが最も効率的です。
3. 効率を上げる「比較」の視点
特に混同しやすいのが**「届出」や「報告」**の期限です。
- 労基法の届出: 「遅滞なく」が多い(例:36協定の届出など)。
- 安衛法の報告: 「遅滞なく」に加えて、「14日以内」(選任届)など具体的な数字が頻出。
4. 択一式・選択式での戦い方
- 択一式: 労基法で7点中5~6点、安衛法で3点中1~2点を目指す(計6~8点)。安衛法の難問は深追いせず、基礎問題を取りこぼさないこと。
- 選択式: 労基法は最高裁判例のキーワード、安衛法は安全衛生管理体制の役職名や「健康診断の保存期間(5年)」などの数字が狙われます。
ポイント:
安衛法が苦手な方は、まずは「総括安全衛生管理者」「安全管理者」「衛生管理者」「産業医」の4つの選任要件(業種・人数)を完璧にするだけで、1点をもぎ取れる確率がグッと上がります。
次は、具体的に間違いやすい**「安全衛生管理体制の選任基準一覧表」**を整理して作成しましょうか?それとも、労基法の重要判例のまとめを確認しますか?

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