社労士試験における「失権(受給権の消滅)」には、非常に重要な**「養子の例外」**が存在します。ここを正確に理解すると、得点源になります。
キーワードは**「直系血族」と「直系姻族」**です。
1. 原則と例外の整理
通常、養子縁組をすると「新しい親に養ってもらえる」とみなされるため、遺族年金の権利はなくなります。しかし、以下の範囲内での養子縁組であれば、権利は消滅しません。
| 養子縁組の相手 | 判定 | 試験での出方(具体例) |
| 直系血族 | 失権しない | 自分の祖父母(おじいちゃん・おばあちゃん)の養子になった。 |
| 直系姻族 | 失権しない | 母が再婚した相手(継父)の養子になった。 |
| 上記以外 | 失権する | おじ・おば、近所の人、赤の他人の養子になった。 |
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2. なぜ「直系血族・姻族」ならOKなのか?
この例外が認められている理由は、**「もともと身近な親族関係にある人の養子になっても、経済的基盤が劇的に変わるわけではない(身内での助け合いの延長)」**と法律が考えているからです。
- 直系血族: 自分の父母、祖父母など。
- 直系姻族: 配偶者の父母(義父・義母)、または自分の親の再婚相手など。
3. 【超重要】配偶者と子の「失権」のねじれ
ここが試験で最も狙われる「ひっかけ」ポイントです。 **「子が養子になったとき、その子自身の権利と、親(配偶者)の権利で結果が異なる」**ケースがあります。
例:被保険者の「妻」と「子」が受給中のケース
子が、妻の再婚相手(直系姻族)の養子になった場合:
- 子の受給権: 消滅しない(直系姻族の養子だから)。
- 妻(配偶者)の受給権: 消滅する。
[注意!] 妻の権利が消える理由は、養子云々ではなく、妻自身が「再婚(婚姻)」したからです。婚姻は、相手が誰であれ絶対的な失権事由です。
4. 覚え方のコツ
- 「婚姻」は一発アウト: 事実婚も含め、結婚したら理由を問わず失権します。
- 「養子」は身内ならセーフ: おじいちゃんや継父ならOK。おじさんや他人はアウト。
- 「離縁」はアウト: 亡くなった人と法律上の親子関係を解消したら、その瞬間に権利は消えます。
次は、これらの失権事由と混同しやすい「支給停止(所在不明や労災との調整など)」のパターンを整理しましょうか?
→「支給停止(所在不明や労災との調整など)」のパターンを整理
動画
【社労士受験】遺族基礎年金の失権事由についてお話しします(国民年金法) この動画では、遺族基礎年金の失権事由について、条文の解説を交えながら具体例とともに詳しく説明されており、理解を深めるのに役立ちます。
【社労士受験】遺族基礎年金の失権事由についてお話しします(国民年金法) – YouTube


【社労士受験】遺族基礎年金の失権事由についてお話しします(国民年金法)
「遺族基礎年金」を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の「配偶者又は子」です。・配偶者と子の共通の失権事由・配偶者特有の失権事由・子特有の失権事由をみていきましょう。★特によく出題されるのは、「配偶者の遺族基礎年金が失権...

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