2025年(令和7年)の**労働保険徴収法(徴収法)**に関連する主な改正点と、実務上の重要ポイントを整理して解説します。
2025年度は、特に雇用保険料率の引き下げと、雇用保険法の改正(育児休業給付の拡充など)に伴う保険料負担の仕組みの変化が中心となります。
主な改正点
1. 2025年度(令和7年度)の雇用保険料率の変更
2025年4月1日より、雇用保険料率が前年度から引き下げられます。年度更新の計算に関わるため、最も直接的な影響がある項目です。
| 事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計 |
| 一般の事業 | 5.5/1000 | 9.0/1000 | 14.5/1000 |
| 農林水産・清酒製造 | 6.5/1000 | 10.0/1000 | 16.5/1000 |
| 建設の事業 | 6.5/1000 | 11.0/1000 | 17.5/1000 |
- ポイント: 「失業等給付・育児休業給付」の料率が、労働者・事業主ともに 6/1000 から 5.5/1000 へ引き下げられました(一般の事業の場合)。
- 注意点: 労災保険率については、原則3年ごとの改定(前回2024年)のため、2025年度の変更はありません。
2. 雇用保険法改正に伴う徴収法上の対応
2025年4月から、育児休業給付の安定的な運営を目的とした仕組みが導入されます。
- 育児休業給付資金の財政調整: 育児休業給付の支給に必要な額を確保しつつ、雇用保険全体の財政均衡を保つよう、厚生労働大臣が料率を弾力的に調整する義務が課されます。
- 育児休業給付の国庫負担の恒久化: これまで暫定措置だった国庫負担が、本則として安定的に運用されるようになります。これにより、将来的な保険料率の急激な上昇を抑える仕組みが整えられました。
3. 実務担当者が注意すべき「年度更新」
2025年6月~7月に行う「令和7年度 年度更新」では、新旧の料率が混在するため注意が必要です。
- 確定保険料(令和6年度分): 旧料率(一般なら15.5/1000)で計算。
- 概算保険料(令和7年度分): **新料率(一般なら14.5/1000)**で計算。
[!IMPORTANT] 給与計算ソフト等を利用している場合は、2025年4月支給分の給与から新しい労働者負担分(5.5/1000)が適用されるよう、設定変更の確認を忘れないようにしてください。
4. 今後の大きな変更点(予告)
2025年の改正ではありませんが、徴収法の実務に大きく関わる**「週10時間以上の適用拡大」**の準備が始まっています。
- 2028年(令和10年)10月施行予定: 雇用保険の加入対象が、現在の「週20時間以上」から**「週10時間以上」**に拡大されます。これにより、短時間労働者の保険料徴収事務が大幅に増加するため、2025年頃から社内の雇用管理体制の見直しが必要になります。
こちらの内容について、具体的な料率の計算シミュレーションや、年度更新の書き方など、より詳細な解説が必要な項目はありますか?
フリーランスの方に関わる労災保険の特別加入制度
2025年度(令和7年度)は、フリーランスの方に関わる労災保険の特別加入制度が劇的に変化する年です。
これまで特定の職種(ITエンジニア、建設業、ウーバーイーツ等の配達員など)に限られていた労災保険への加入が、2024年11月の改正および2025年を通じた運用により、実質的に**「すべてのフリーランス(特定受託業務従事者)」**が対象となりました。
徴収法の観点から、フリーランスが知っておくべきポイントを整理します。
1. 2025年「フリーランス全職種」が労災保険の対象に
2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化法」に合わせ、労災保険の**「特定受託業務従事者」**という新しい特別加入枠が新設されました。
- 改正前: 法律で指定された職種(一人親方、アニメーター、柔道整復師など)しか加入できなかった。
- 改正後: 企業から業務委託を受けるすべてのフリーランスが、自分の意思で労災保険に加入できるようになりました。
加入のメリット
- 業務中・通勤中のケガを補償: 会社員と同等の医療費無償化、休業補償、障害年金、遺族年金などが受けられます。
- 民間の保険より手厚い: 治療費(療養給付)が自己負担なしで、完治するまで補償されるのが最大の特徴です。
2. 保険料の徴収と支払い(徴収法上の扱い)
フリーランス本人が「特別加入団体(事務組合)」を通じて、国に保険料を納める仕組みです。
| 項目 | 内容 |
| 保険料率 | 3.0/1000(0.3%) |
| 給付基礎日額 | 3,500円〜25,000円の間で本人が選択 |
| 年間保険料の例 | 日額10,000円選択の場合:3,650,000円 × 0.3% = 10,950円 |
- ポイント: 保険料は全額自己負担ですが、社会保険料控除の対象となり、節税になります。
- 注意点: 取引先の企業(発注者)が保険料を肩代わりして徴収・納付する義務はありません。あくまでフリーランス自身が団体に申し込む必要があります。
3. 実務上の変化:発注者側の配慮義務
2025年以降、企業(発注側)がフリーランスに業務を依頼する際、以下の対応が求められるようになっています。
- 特別加入の周知: 発注者は、フリーランスに対して労災保険に加入できる制度があることを知らせることが望ましいとされています。
- 安全配慮: 直接の雇用関係がなくても、発注者の施設内で作業させる場合などは、安全に配慮する義務がより明確化されています。
4. 2025年度の年度更新における注意
もし、あなたがフリーランスとして「特別加入団体」を運営していたり、事務組合に委託している場合、2025年6月〜7月の年度更新では**「特定受託業務従事者」としての申告**が本格的に始まります。
次のステップとして、以下のどちらに興味がありますか?
- 加入を検討中: 具体的な加入窓口(特別加入団体)の見つけ方や、詳しい補償内容を知りたい。
- 発注者側(企業): フリーランスを活用する際、契約書にどう記載すべきか、あるいは労災事故が起きた時の責任範囲を知りたい。
ご状況に合わせてさらに詳しくお伝えします。
厚労省HP
厚生労働省のホームページで公開されている最新情報に基づき、2025年度(令和7年度)の徴収法およびフリーランスに関連する改正ポイントをまとめました。
1. 雇用保険料率の改定(2025年4月〜)
厚生労働省より、令和7年度の雇用保険料率は前年度から引き下げとなることが発表されています。
| 事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計 |
| 一般の事業 | 5.5/1000 (旧6.0) | 9.0/1000 (旧9.5) | 14.5/1000 |
| 農林水産・清酒製造 | 6.5/1000 (旧7.0) | 10.0/1000 (旧10.5) | 16.5/1000 |
| 建設の事業 | 6.5/1000 (旧7.0) | 11.0/1000 (旧11.5) | 17.5/1000 |
- 適用のタイミング: 2025年4月1日以降に最初に支払われる給与からではなく、**「4月1日以降の労働分」**に対して適用されます(※締め日・支払日によって実務上の切り替え時期が異なります)。
2. 【重要】フリーランスの労災特別加入(全職種解禁)
2024年11月に施行された改正により、2025年度はすべてのフリーランスが労災保険に加入できる体制が整っています。厚労省HPでは「特定受託業務従事者」として案内されています。
- 対象者: 企業等から業務委託を受けて働く、従業員を雇っていない個人事業主や一人社長。
- 補償内容: 仕事中や通勤中のケガ、病気、障害、死亡等に対して、治療費の全額補償や休業補償が受けられます。
- 加入方法: 厚労省から承認を受けた「特別加入団体」を通じて申し込みます。
- 厚生労働省:特定フリーランス事業の特別加入団体一覧(※リンク先で最新の団体リストを確認できます)
3. 令和7年度「年度更新」の手続き
2025年6月2日(月)〜7月10日(木)に行う年度更新では、料率の使い分けに注意が必要です。
- 確定保険料(令和6年度分): 旧料率(一般:15.5/1000)を使用。
- 概算保険料(令和7年度分): **新料率(一般:14.5/1000)**を使用。
[!TIP] 厚労省の「年度更新 申告書の書き方」パンフレットは、例年4月頃に最新版がダウンロード可能になります。電子申請(e-Gov)を利用すると、計算ミスを防げるため推奨されています。
4. その他 2025年の注目トピック
- 育児休業給付の財政強化: 2025年4月より、育児休業給付の国庫負担割合が本則(1/80から1/8へ)に引き上げられ、制度の安定化が図られます。
- 高年齢雇用継続給付の縮小: 併せて、60歳以上の賃金低下を補う「高年齢雇用継続給付」の給付率が、2025年4月から15%から10%に縮小されます(段階的な廃止に向けた動きです)。
もし、特定の「特別加入団体」の探し方や、ご自身の業種がどの区分に当たるかなど、具体的な確認が必要であればお手伝いします。いかがでしょうか?

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