令和7年版『労働経済の分析(労働経済白書)』は、2025年9月30日に厚生労働省から公表されました。
今回のテーマは「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」です。深刻化する人手不足(労働力供給の制約)を前提とし、いかに日本経済を成長させていくかについて、以下の3つの柱を中心に分析されています。
1. 労働生産性の向上に向けた課題
人口減少社会において、経済成長を維持するためには労働生産性の向上が不可欠であると指摘しています。
- 無形資産投資の遅れ: 欧米諸国と比較して、日本は人的資本(教育訓練)やソフトウェア投資(AI活用など)への投資比率が低く、これが生産性向上を阻む要因となっています。
- AI・ITの活用: 特に労働集約的なサービス業や医療・福祉分野において、AIやデジタル技術を導入し、事務負担の軽減や業務の効率化を推進することが急務とされています。
2. 社会インフラを支える職業の人材確保
医療、介護、建設、運輸など、私たちの生活に密接に関わる社会インフラ関連職種での深刻な人手不足が分析されています。
- 処遇の改善: スキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する仕組みを構築し、長期的に安心して働ける環境を整える必要があります。
- 質の高いサービス維持: 人材が確保できない場合、公共サービスの質が低下し、経済全体に悪影響を及ぼす懸念があるため、重点的な対策が求められています。
3. 企業と労働者の関係・意識の変化への対応
働き手の価値観が多様化する中で、従来の雇用管理のままでは人材確保が困難になっています。
- 柔軟な雇用管理: 賃金の引き上げに加え、ワーク・ライフ・バランスへの配慮、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方の提供が、企業の採用力・定着力に直結します。
- ライフイベントとの両立: 労働者一人ひとりのライフステージ(育児・介護など)に合わせた個別具体的なサポート体制の構築が重視されています。
【参考:2024年の労働経済概況】
白書の第Ⅰ部では、直近のデータについても触れられています。
- 雇用情勢: 完全失業率は横ばいながら、就業者数・雇用者数は過去最高を更新しました。
- 賃金: 現金給与総額は4年連続で増加。物価上昇の影響は依然大きいものの、実質賃金は一般・パートともにマイナスから脱する兆しが見られました。
- 労働時間: 総実労働時間は減少傾向にあり、年次有給休暇の取得率は過去最高を更新しています。
この白書について、さらに特定の分野(例:AI活用の詳細や、医療・福祉の人材確保策など)を詳しくお調べしましょうか?
参考HP
白書、年次報告書
厚生労働省の白書、年次報告書について紹介しています。

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