社会保険労務士試験における「未支給の保険給付」は、各法で対象となる遺族の範囲や順位が微妙に異なるため、横断学習の頻出項目です。
結論から言うと、「3親等内の親族」まで含まれるかどうかが、年金法(国年・厚年)とそれ以外(労災・雇用)を分ける大きなポイントになります。
未支給給付の対象者・順位の比較表
各法における未支給給付を受けられる遺族の範囲と順位は以下の通りです。
| 法律 | 対象となる遺族の範囲(すべて生計同一が条件) | 順位のポイント |
| 国民年金法 | ①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹 ⑦3親等内の親族 | 平成26年改正で「3親等」が追加。 |
| 厚生年金保険法 | ①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹 ⑦3親等内の親族 | 国民年金と同じ。 |
| 労働者災害補償保険法 | ①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹 | 3親等内の親族は含まれない。 |
| 雇用保険法 | ①配偶者 ②子 ③父母 ④孫 ⑤祖父母 ⑥兄弟姉妹 | 3親等内の親族は含まれない。 |
試験対策上の重要ポイント
1. 「3親等内の親族」の有無
年金二法(国年・厚年)については、遺族の範囲が広く設定されており、「3親等内の親族」(甥、姪、叔父、叔母、子の配偶者など)まで認められます。一方で、労災法や雇用保険法では、兄弟姉妹までが限界です。
2. 生計維持ではなく「生計同一」
未支給給付の要件は、多くの給付で見られる「生計維持(収入要件あり)」ではなく、**「生計を同じくしていたこと(生計同一)」**です。収入の多寡は問われません。
※労災法の「未支給の遺族補償年金」等については、そもそも受給権がある遺族が対象となるため、独自の順位ルール(遺族補償年金の転給順位など)が適用される点に注意してください。
3. 同順位者が複数いる場合
どの法律においても共通のルールです。
- 代表者1人の請求: 同順位者が2人以上いる場合、その1人がした請求は全員のために全額について行われたものとみなされます。
- 代表者1人への支給: その1人に対して行った支給は、全員に対して行ったものとみなされます。
4. 未支給給付の性格
未支給給付は、亡くなった本人の「相続財産」ではなく、遺族が「自己の名」で請求する固有の権利です。そのため、相続放棄をしていても受け取ることが可能です。
さらに詳しく、労災法における「遺族補償年金」の未支給分と、その他の給付(休業補償等)の未支給分の扱いの違いについて解説が必要でしょうか?
参考動画
この動画では、国民年金の未支給年金の対象範囲や順位について、図解を用いてわかりやすく解説されています。 国民年金未支給年金の講義
国民年金未支給年金について【社労士受験対策】 – YouTube


国民年金未支給年金について【社労士受験対策】
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