労働基準法における変形労働時間制は、業務の繁閑に合わせて労働時間を配分することで、特定の日の労働時間を長くする代わりに、他の日の労働時間を短くし、トータルで法定労働時間内(週平均40時間)に収める制度です。
大きく分けて4つの種類がありますが、それぞれの違いを比較表にまとめました。
変形労働時間制の比較表
| 制度の種類 | 対象期間 | 導入要件 | 労働時間の特定 | 主な活用シーン |
| 1ヶ月単位 | 1ヶ月以内 | 就業規則 または 労使協定 | 開始前に日ごとの時間を確定 | 多くの一般企業、月月末が忙しい事務職など |
| 1年単位 | 1ヶ月超〜1年以内 | 労使協定(届出が必要) | 開始前に日・週ごとの時間を確定 | 季節による繁閑がある業種(製造業、建設業など) |
| 1週間単位 | 1週間 | 労使協定(届出が必要) | 開始の前日までに書面で通知 | 30人未満の小売、旅館、飲食店限定 |
| フレックスタイム制 | 3ヶ月以内 | 就業規則 + 労使協定 | 本人が決定(始業・終業時間を委ねる) | IT企業、研究職、バックオフィスなど |
各制度の主な特徴と注意点
1. 1ヶ月単位の変形労働時間制
もっとも一般的な制度です。「月末の1週間だけ毎日10時間働く代わり、上旬は6時間にする」といった運用が可能です。
- ポイント: 1ヶ月の平均週労働時間が40時間を超えないように設定します。
2. 1年単位の変形労働時間制
お盆や年末年始、年度末など、季節単位で忙しさが変わる業種に向いています。
- 制限: 労働日数の上限(1年で280日以内)や、連続労働日数の制限(原則6日まで)など、労働者保護のルールが厳格です。
3. 1週間単位の非定型的変形労働時間制
日々の忙しさが直前まで読めない小規模なサービス業のための特例的な制度です。
- ポイント: 1日10時間まで働かせることができますが、対象業種が限定されています。
4. フレックスタイム制
「変形労働時間制」の一種ですが、会社が時間を決めるのではなく、働く本人が始業・終業時間を決めるのが最大の特徴です。
- 清算期間: 最長3ヶ月までのスパンで労働時間を調整できるようになりました。
【注意】残業代の計算について
変形労働時間制を導入していても、あらかじめ特定した時間を超えて働かせた場合や、法定の枠(週平均40時間)を超えた分については、当然ながら**時間外労働(割増賃金)**が発生します。
ご自身の会社、あるいは検討されている職種において、どの制度が最適かより詳しく知りたい項目はありますか?例えば「1年単位の残業代の計算方法」など、具体的な深掘りも可能です。

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